生命の原点

山人の独り言 富士宮ネット新聞

ここ数年来、テレビ・新聞・雑誌等で取り上げられる食べ物・栄養・健康に関する番組や記事が何と多いことか。

おいしい物、珍しい物は食べたいが、暖衣飽食ばかりで健康不安は隠せない。だから、飽食も健康も両方満足させてくれる都合のよい食べ物や健康法はないものかと虫のよいことを考える。人間のそういう虫のよさや不安をほどよくくすぐりながら、巷にはきょうも食べ物・健康情報が溢れる。「××防止にはこれが効く。○○にはこの栄養を含むあれがいい。この方法で××になった。バランスよく30品目食べるのがよい。」等々。

何が本当なのかよく分からない。良いと言われるもの全部取り入れたら完璧な健康体になるのだろうか。でも、全部取り入れるなんてできないから、何か自分に都合のよいものはないかと情報を渡り歩く。

学者が細かく分析した部分だけ見れば、それはそれで正しいだろうが、生命全体を語ってるわけではない。科学技術は、肉体や食べ物を細かく分析し、その働きや効用を医学や栄養学の用語で詳しく説明してくれ、これまで知らなかったものを見せてくれ、教えてくれる。でも、それはいつも部分であって、生命全体を語っているわけではない。

私たちが何かを食べる時、食べ物は口に運ばれ、先ず歯に出会う。歯は胃の前にある消化器官であり、動物は自分の食べ物に合った歯を持っているはずである。人間は32本の歯を持つ。臼歯20本、門歯8本、犬歯4本の計32本。臼歯は草食動物が持つ歯で、穀物をすりつぶす歯である。門歯は、野菜や果物をすりつぶす歯である。犬歯は肉食動物が持つ歯で、肉を引きちぎる歯である。

人間は臼歯が多く、犬歯は4本しかないのだから、穀物を主に食べて、肉魚・卵など動物性植物は少なく食べなさいと歯は教えている。卵もと思うだろうが、卵から動物が生まれるのだから肉魚の原形である。総数32本を分母にそれぞれの歯の本数を分子にして計算すれば、穀物63%・野菜類25%・動物性食物12%が、歯が教える人間の食べ物だということになる。飽食時代になる前はほぼこの比率で食べていたはずである。

現在日本人は、穀物である米を昭和30年代の半分以下しか食べていない。そして品物の山に囲まれ病になった。それが癌という字である。医学や栄養学情報も大切だが、歯は消化器官であり、何を食べるべきか教えている生命の原点だと思う。

まあ、富士山の麓に生まれ育った山人の独り言です。

富士山人Y・O

このコラムは2004年から、ふじのみやふぁいるずで掲載されたコラムを再掲したものです。時代とともに背景も変わってきていますので、その点を考慮の上、読んで頂けましたら幸いです。

関連記事

富士山麓有機農業推進協議会
ページ上部へ戻る